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前回は老いていくことにちょっとした怖さを覚えている自分のことを吐露した感じになった。とはいえ、そのあとが大変! 原稿を書き上げた直後、腰に激痛がやってきたのだ。まったくもって、「老い」の原稿を追いかけるように、「老い」を実感した訳である。
しかしまあ、腰が痛いのである。
去年はまったく腰を煩わなかったのだが、久しぶりにやってしまった。所謂ぎっくり腰。欧米では「魔女の一撃」とも言われ、まあ、何とも恐ろしい症状である。魔女がやってきて、腰に一発……、何をするんだろうか?
あくまでも「魔女」である。悪魔とか魔王、魔人の一撃などと男性が一発くらわせるような言い方をしないということは、欧米でも男性に現れやすい現象なんだろうということは想像に難くない。
とはいえ、痛いのである。
常に腰が曲がったような状態で、一気に20歳は歳を取ったような身のこなし。はあ〜……。本当に老いを感じた一週間であった。
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そんな老体に鞭を打ちながらも選挙には行ってきた―—まあ、そこまでではなかったけれど―—。老いを感じることがそうさせたのか、無力なわが一票に念を入れたかったのか、これからの4年、そして、まだ若き子どもたち、そして生まれくる子どもたちを考えてなのか、とてもイヤな気分がして、投票所で涙が出てきてしまった。
変わらない平和と安全を祈る、ただそれだけなんだけれど……。
まあ、そんな中でもトピックスには出逢うもので、ずっと気になっていた「出口調査」の調査員がぼくの投票所にちょうどいたのだった。生まれてから選挙に何回行ったなんてことは数えていないけれど、結構足を運んだ中で、初めての「出口調査」だった。ちょっとうれしくなったので、調査してもらった(馬鹿丸出し)。
この「出口調査」なんだけれど、ぼくはずっと「イデグチさん」という人がやっている調査会社があって、そこが行なっている調査を「出口調査」というのだとばかり思っていた。テレビ局各社が「出口調査の結果だが」とか、「出口調査によると」などと出口調査を使って選挙を占うニュースを観るにつけ、イデグチさん、がんばってんな〜、と思ったものだ。
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こうした勘違いは所ジョージさんの「月極駐車場」を「ゲッキョクさん」の駐車場と思っていた、とか、巨人の星の主題歌にある「思い込んだら試練の道を」の「思い込んだら」を「重いコンダラ」と思っていたなんて話も聞いたことがあったりと、枚挙に暇ないネタだ。
こうした言葉の勘違いとか、思い違いとか、単なる思い込みというのは様々な脳内物語を育んでいて、ぼくはなんとなく好きなんだけれど。
言葉のことでいうと、ぼくは最近、気になっているネーミングがある。ここ何年かで雨後の筍のようにできている「調剤薬局」の店名である。
調剤薬局には、その家や経営者(?)の名前を冠したものも結構多い。だけれど、ぎっくり腰のおかげで、湿布を買いにいったところが「フローラル薬局」で、そのあと通りかかったところが「フリージア薬局」。どちらも花がらみ。花関係。
こういうことをひとつ目にすると、いろいろを見つけたくなるのが人間の習性なのか、ぼくの習性なのか、俄然気になってしまう。病院を見つけると必ず近くに調剤薬局があるだろうと推測して、きょろきょろしてしまう。実際、○○薬局という感じで、人の名前やチェーン店なのか屋号をつけたものも少なくないが、そういうのを見つけても、こっちとしてはがっかりするだけで、「もう!もっと考えようよ!」などと心の叫び。
が、あるのである。
上のふたつ以外にも「ハーブ薬局」「さくら薬局」「菜のはな薬局」と植物系のものは簡単に見つけられた。薬は薬草からきているからなのか、イメージとしてプレーンになるからなのか、調剤薬局を開業するにあたってはつけやすい名前なのだろう。
あえてまとめてみるなら、「薬局植物系ネーミング現象(長い!)」とでもいえばいいのだろうか?
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そんなときに、ふっと思ったのだけれど、自動車のネーミングにはなんで「花」の名前を使わないのだろう?と―—ぼくの脳みそのつながりが我ながらわからないのだけれども―—
かつては公害を生み、花の命を脅かす、花の存在とは真逆の存在であった自動車であったが、もう随分、(プリウスの登場以来か?)エコだのなんだのといわれているのだから、新しいネーミングにいかがだろうか? 女の子を意識したかわいらしいネーミングは随分増えたけれど、花の名前ってないような気がしたからだ―—ちゃんと調べてないので、あったらごめんなさい!———
トヨタ菜の花、日産フリージア、三菱マーガレット、スバルガーベラ、マツダアマリリス、ダイハツパンジー、もうなんでも良いと思う。車のネーミングも花祭り! 良いじゃないか!?
なんて、ひとり、こんなくだらないことをうじうじと考えていた、どうしようもない日曜の午後だった。